【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
しかも今日は、この間学校帰りに無理矢理香織に下着のショップに連れて行かれて選ばれた紫色のショーツ。



「み、見るな変態!」



「ふーん。そんな口利くんだ。生意気だから塞ごうか?」



早業の如く私の腰と顎に手を持って行ったヤス。



至近距離だと、伊達眼鏡の奥のヤスの外国人みたいな顔がよく分かる。



美しい二つの歌声を全世界に響かせるその唇が、私のそれに近づく。



その姿さえ美しく、見とれてしまった私は抵抗する余地さえなく、ヤスの口づけを受け入れてしまった。
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