【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
ヤスは私の肩までの髪の毛を掬い上げ、ちゅ、とキスを落とし、上目遣いで私を見る。



「この間の続き、しちゃう?」



熱情的で、淫靡な視線を濁った漆黒の瞳が送って来る。



胸が焦がされた砂糖みたい。どろり、とカラメルソースのように溶かされるみたいだ。



「ふっ…ホント、アスカってかわいー。汚したくなる。俺の手で。この、汚れた指で。」



「は…?っわ!」



色っぽく囁いたヤスに、返事をする間もなく担ぎ上げられる。



お姫様抱っことかそんなのじゃなくて、所謂俵担ぎだが。
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