【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
うちに帰ると、珍しく仕事が休みのヤスと兄貴が煙草をスパスパと吸っていた。



「うわ、煙た…。」



煙草吸って部屋煙たくするなら、兄貴の部屋でやれ。



「おうお帰り飛鳥!お前が外出なんて珍しいのなー。」



「別に、そういう日もある。」



普段は香織が誘った日以外は休日は外出しない私に、兄貴が何気なく言う。



私がもう一度『巻田アスナ』になるのがばれるのは、仕事した後でなければ。



じゃないと、きっと止められる。あんなに嫌がってたから、理由を探られるだろうから。
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