【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
恐る恐る、会話の聞こえる方に更に近寄る。
すると、もう一つ曲がり角があり、その先に黒いソファに座る木酪泰則の横顔が、推定5メートル先にある。
私は耳を澄ませ、電話の内容を捉えようとした。
「え?だーかーら、クラスメイトとカラオケって言ってるでしょ。」
「歌ったよ?ん、ん。はは!わざと下手くそに歌ったんだから心配ないよ。馬鹿共が感づくと思ってるの?」
「あのねー、こんな地味山ダサ男的なモッサイ奴が月野森きららだなんて思わないよ。馬鹿じゃないの?」
………聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気がするんだけど。
すると、もう一つ曲がり角があり、その先に黒いソファに座る木酪泰則の横顔が、推定5メートル先にある。
私は耳を澄ませ、電話の内容を捉えようとした。
「え?だーかーら、クラスメイトとカラオケって言ってるでしょ。」
「歌ったよ?ん、ん。はは!わざと下手くそに歌ったんだから心配ないよ。馬鹿共が感づくと思ってるの?」
「あのねー、こんな地味山ダサ男的なモッサイ奴が月野森きららだなんて思わないよ。馬鹿じゃないの?」
………聞いちゃいけないことを聞いてしまったような気がするんだけど。