【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
ヤスは私の髪の毛をぐっと掴み、資料室を出てずんずん歩く。



廊下にはもう生徒はいない。授業中だからである。



地味山ダサ男のヤスがこんなこと、普通に有り得ない。



キャラ作りを徹底してる奴が、こんなにまで本性剥き出しなのは、多分物凄く怒っているから。



髪の毛から二の腕に持ち替えたヤス。力の強さは変わらない。



数学の授業中であるうちのクラスの扉を乱暴に開いたヤスに、クラスメイト達の目線が行く。



「木酪、花巻も、早く席に…。」



何も言わないでも、ヤスの迫力に先生が呑まれてる。クラスメイトも同様に。
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