【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
指先が、唇が、舌が、私の知らない私を呼び覚ます。



「ふん。アスカって、愛のないセックスでも、感じるんだね。」」


「ん………そんなことっ!っぁ!」



ヤスの言葉や動きは乱暴なのに、どうして私は乱されてる。



『嫌い』なのに『嫌』じゃない。どうして?



「アスカ、どう?汚い大人から生まれた、憎しみに塗れた俺に抱かれるのは?」



そんな言葉を私にかけるヤスの手つきは、乱暴で、優しさのかけらもない。



なのに、きっと泣いてるのは私じゃなくてヤスの方。



涙なんか出てないけれど、きっと。
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