【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
当時は社長夫婦が二人で芸能事務所を開き、軌道に乗りはじめた頃で、夜も遅かった。



まだ中学一年生だったが、立派に男になった俺は、夜通し女と遊びまくっていた。



しかし、夫婦の前では猫かぶり。俺は声変わり前の高い女性のような声で喋り、それを悟られないようにしていた。



その日も女と遊ぶ約束をするために電話をかけていた。



無論、その高い声ではなく、声変わり後の低い声で、だ。



女との電話の途中、携帯は後ろから何者かに取り上げられられ、通話を切られる。
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