【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
ヤスが泣き疲れるまでそうして、二人でいつの間にか眠っていた。



目が覚めると、横にはヤスの綺麗な寝顔がある。



涙で濡れた頬に触れると、その作り物みたいな瞼がゆっくり開く。



「人の寝顔盗み見すんな。アスカのエッチ。」



「エッチはどっちだ。私の処女返せ馬鹿ヤス。」



憎まれ口にを倍返ししてやると、ヤスはふっと笑う。



その笑った顔は、ヤスの割に血が通っていて、悪くない顔だった。
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