【完】歌姫、そんな声で鳴かないで！

食事後、期末テストのために勉強していた私は、少しの息抜きのために２階のベランダに出る。



うちの学校は金持ち学校なせいか、テストのレベルも高い。


私は準特待生だから、それなりの点数を維持しなきゃいけないし、プレッシャーだ。



ベランダにはすでに先客がいた。



「何で外で煙草吸ってんの。いつも室内のくせに。」



「気分だ。部屋に煙りの臭いを残したくない気分でね。」



学校の地味山ダサ男の時とは違う、眼鏡を外したヤスは、闇夜に白い肌が浮かび上がって美しい。



冷たい風がさわさわと吹き付け、ヤスの長い前髪を揺らす。