【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
あまりに美しいヤスに、私は顔を反らす。



ヤスは私を綺麗で、自分は汚い存在だなんて言っていたけど、そんなことない。



だって、この世の何とも形容しがたいくらい、ヤスは、綺麗だ。



自分の存在が汚いものなんじゃないかと思うほど、綺麗だ。



「アスカ、髪の毛。」



「ん…?」



そんなヤスの、作り物みたいな掌が、私の黒髪を触る。



「だいぶ伸びたね。また、おさげにするの?」



「んーん。もう、おさげはいいかな。」



私が答えると、ヤスが息を漏らして微笑む声が聞こえる。
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