【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
その綺麗過ぎる唇は、私にその意味を告げる。



「俺、二年に上がったら、暫く休学するんだ。…月野森きららの、ワールドツアーのために。」



ああ、ヤスは私の手を振りほどいて、光へ走って行くんだね。



「以前から決まっていたことで、俺は、そこで両親のことをカミングアウト、するつもりでいた。」



「するつもりでいた…ってことは、今は違うの?」



当たり前のことを尋ねているのは分かっているが、聞かずにはいられない。



だって、ヤスが両親を憎んでいるのに変わりはないから。
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