【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「アスカも少し、髪の毛伸びたね。」



「ん。切ってない、から。」



ヤスは立ち上がり、私の髪の毛に手を伸ばす。



その指先が私の髪の毛の中でするり、と動くと、少しくすぐったい気分になった。



「ヤス、あのね。香織にさ、全部ばれてた。」



私はとりあえず、今日のことを伝えなきゃ、と思い、ヤスにそう言う。



するとヤスは一瞬固まったが、彼らしくない苦笑いをひとつ浮かべた。



「ミタカカオリは、くせ者だ。」



ヤスをも困らせる香織、本当に凄いと思う。
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