【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!



ざばん、と音を立てて、水の中へダイブしてしまった。



「……後で、仕置きだな。」



「いや、はは…いいじゃん。水も滴るいい男で、さ。」



しかも、あろうことか、悪魔も共に。



「………っはは!なんか、馬鹿みたいだね俺達。こんなロマンチックなとこで、ずぶ濡れじゃん。」



ヤスは腹を立てたと思いきや、水から私を救い出すと、私を抱きしめたまま笑い出す。



その人肌と、ヤスの意外と早い心音に、水に落ちて寒いはずの私の身体が火照りだす。
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