【完】歌姫、そんな声で鳴かないで！

私は２階の自分の部屋へ荷物を置き、制服から部屋着に変えると下に戻る。



「おう飛鳥！おかえり。」



そんな私に声をかけた顔周辺がモカブラウンで残りがミルクティーアッシュというなんだかチャラそうな髪色の男は、自由人の兄優斗(ヒロト)だ。



「なんだよ。そんなウザそうな顔で俺を見るなよー。」



「ウザそうなんじゃなくてウザいの。」



私は兄貴を冷たくあしらうと食卓に腰を降ろす。



「お父さんは？」



「今日は取引先と接待だって。大変よねー銀行マンも。」



兄貴を完全スルーしてお母さんと話していると、なんだか後ろからいじけたオーラを感じる。



そういうとこがウザいんだよね。