【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「じゃあ私はシャワーでも浴びて来ようかな。」



何となく食卓の椅子から立ち上がり、私は風呂場へ向かう。



「あっ!ちょ、待っ!」



後ろから兄貴が私を止めようとしている声が聞こえたけど、いつもの如くスルーして歩き出す。



どうせたいした用事じゃないんだから、上がってからにしてほしい。



風呂場へたどり着き、電気がついたままなのに気付き、溜息が漏れる。



「ったく、誰だよ、最後は。」



なんて悪態を吐いてドアを開くと、もわっと風呂場独特の熱気を感じた。



そして、私は目の前の光景に叫び声を上げることになる。
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