【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「そもそもヤスは、きららの声の訓練で高校行けてなかっから調度良かったんだよな?」



「まあ、高校生なんて糞ちょろいんだけどね。ちょいちょいっと勉強すれば、すぐに特待生になれたしね。」



スッゴくムカつく。私は毎日予習復習して、それで準特待生を守るのが必死なのに。



「それに、理事長も教師も俺の実年齢は知っている。ただ、俺が誰とも関わらないから年上だという噂も立たないし、思いもしないだけ。」



そう言ってふてぶてしく笑い、煙草の煙を吐き出すコイツをクラスの連中に見せてやりたい。



私はギュッと拳を握り、ムカつく気持ちをなんとか抑えた。
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