【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「そのうち…奪ってあげる。全部、ね。」
その艶っぽい木酪泰則の言葉に、私も、多分兄貴も、心臓が大きく動く。
「あんたの部屋の目の前が俺の使う部屋らしいから、案内してよ。………アスカ。」
その意図的に出された低い声が、私の体温を上昇させて、支配する。
「あ、わ、分かった。」
私は木酪と立ち上がると、兄貴の部屋を出た。
煙草臭かった部屋から一歩出ると、随分と空気が美味しく感じる。
「パーラメントはやっぱり美味くない。吸うならやっぱりマイセンかな。パーラメントはゴムの味がする。」
ボソッと呟いた木酪泰則のそれが、煙草へ対する不満だと気付くのに時間はかからなかった。
その艶っぽい木酪泰則の言葉に、私も、多分兄貴も、心臓が大きく動く。
「あんたの部屋の目の前が俺の使う部屋らしいから、案内してよ。………アスカ。」
その意図的に出された低い声が、私の体温を上昇させて、支配する。
「あ、わ、分かった。」
私は木酪と立ち上がると、兄貴の部屋を出た。
煙草臭かった部屋から一歩出ると、随分と空気が美味しく感じる。
「パーラメントはやっぱり美味くない。吸うならやっぱりマイセンかな。パーラメントはゴムの味がする。」
ボソッと呟いた木酪泰則のそれが、煙草へ対する不満だと気付くのに時間はかからなかった。