【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「いや?アスカに何点か気に入らないところがあっただけ。」



濁った漆黒が美しい瞳。木酪はその瞳を私に寄せた。



「まず一つ。学校では木酪君、なのに、ここではフルネーム呼び捨なんだね。…まあいいや。学校以外の外では、ヤスって呼んで。ウザいから。」



「よっ…呼び方なんて、私の勝手じゃ…!?」



反論するも、木酪泰則に顎を持ち上げられて言葉が止まる。



「黙って。じゃないとこの唇塞ぐよ?」



悔しいけど、そう言われると、言葉を発せない。



私はギリリと歯ぎしりをして、木酪泰則を睨みつけた。
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