【完】歌姫、そんな声で鳴かないで！

学校は有名私立学校。特別金持ちでもないが、５つ年上の兄貴が自由気ままに生きているせいで、私は堅苦しいこの学校に中学から入れられたのだ。



「飛鳥ってさ、コンタクトにすればいいのに。肌も白いし、目も大きくて可愛いと思うけどなー。」



地味な私には出来過ぎた、美少女な友人香織。



「ふっ。私が可愛いとかありえないし。私はいいの。一生地味に生きるから。」



そう。私は親に敷かれたレールを進むのが嫌ではない。だから、地味に、楽に生きて行く。



なんて思っていたのに、なのに、あいつが私の決意を、カラメルソースのように甘く、黒く変えていったんだ…。