【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
「凄いでしょう…?あの子のあれは、きっと生まれ持ってね。」



社長が独り言のように、私に囁く。



そう。きっと言う通り。



あれはきっと、ヤスが生まれ持ってるものだと思う。



儚く、だけど、強く、威圧感で熱くて冷たく、苦く甘い。



私はふらつき、後ろへ倒れそうになる。



それを右京さんが支えた。



「飛鳥ちゃん、ちょっと疲れているのかもね。控室で寝てらっしゃい。」



本当はヤスの、月野森きららの撮影を見ていたかったけれど、まだ撮影が残っているから、私は素直に従うことにした。
< 88 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop