【完】歌姫、そんな声で鳴かないで!
隣にいるのはやっぱりヤス、というより月野森きららで、私は変に緊張する。



「流石に初めての撮影でこれは疲れるよね。俺ももう疲れてるし。」


「ちょっと…な、何?」



ヤスは話しながら私に近づく。



「ちょっとだけ、糖分充電。」



「………んっ。」



そして、甘ったるい掠れた声で呟いたかと思えば、私に優しくキスをした。



今まで強引に奪われたことしかなかったのに、こんなの初めて。



私は抵抗も出来ず、ヤスのしっかりメイクされた睫毛を見つめることしか出来なかった。
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