HANAMARU
「ほう、帽子に耳がはえてるものなのか。それはびっくりした」


そう言って長坂は俺のウサ耳帽子の耳をつかんで引っ張った。





おい!
耳が伸びる!
それに髪の毛もぐちゃぐちゃだ!
どーしてくれる!






「何ですか!?先生、やめてくださいよ」



「白藤…お前なぁ…男がこんなもんかぶって恥ずかしいとは思わないのか?」






「思いません。店員のお姉さんも可愛いですよって言ってくれました!なのに、どうしてくれるんすか!耳は伸びるし、髪は崩れるし!」




「お前、鉄のハートの持ち主だな。大丈夫だ、髪の毛は崩れてもカッコいいぞ。この帽子は放課後とりにこい」






「あ、先生わかってるじゃないっすか。俺どんな髪型でもカッコイイんすよ。髪崩れても、ありえないくらいカッコよくてもうマジで、やばいっすよねぇ」




俺がしゃべり終わった頃には長坂の姿はなかった。


さっさと職員室に帰ったのだ。




おーい、
どうしてくれるんだ。
俺のウサ耳帽子!
買ったばっかりだぞ。
どうせ放課後とりにいっても



「もうかぶってくるな」





とか言うんだろ。
…長坂め。


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