華と月
部室を出て、渡り廊下へ行き葵は、金木犀の樹の所に向かった。

葵は、この学園に入った時から金木犀を一瞬で好きになった
そんな金木犀を一目みて帰る事がクセになっている。
葵のお気に入りの場所―

葵が足を止め、金木犀を見つめると風が吹き…

風にのって金木犀のオレンジ色の小さな花がひらひらと舞って落ちてきた。

その時―――
風が空高く舞い上がり、
金木犀のオレンジの花びらも一緒に舞い弧を描く。
思わず葵は目を閉じ
弧を描いた花びらが、ゆっくりと下に落ちてきた。

風が止むと、葵も目を開けるとそこには―…
< 10 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop