華と月
「じゃ、お二人さん
部屋へ案内するよ」と
店番が言うと
葵たちは、アゲハたちと別れた。

「ふぅ、アゲハたちには困ったものだな」と
ハヤトが苦笑いすると

「お仕事、と言ってたから仕方ないと思います」

葵は、そう答えた。

部屋に着き、店番が
「ごゆっくり」と言い
部屋を出て行った。

ハヤトは、荷物を置いて
「じゃあどうする?街に行くか?」
と、葵に聞く。

葵は「少し、休憩したい」そう言って窓辺に座った。
ハヤトも窓辺に座った。

「疲れた?」
「ええ、ちょっと…」
葵は、静かに喋った。

「まだ、戸惑ってるけど
あなたと旅をすれば帰れるってわかったから、
焦らない事にしたの」

「そうか…アオイが無事に帰れるように俺が守るよ」
「ありがとう、ハヤトさん」

葵は、ハヤトに向かってにこっと笑った。

ハヤトは、思わず葵の笑顔にドキッとした。

その頃
リリスは、葵のポケットの中で寝ていた…。
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