華と月
ハヤトは、ハッとなり
「いや…、今後気を付けてくれ
俺は、ハヤトだ。
それと、ラキアが見つかったか?」

そうハヤトが聞くと、一変して空気が穏やかに戻った。

図書係が、ハヤトの声に気がつきおもむろに近づくと、地図を広げ指を指しながら説明する。

「今、現在地がここです。
ラキアと言う人物の家は、ここ
一番奥のところです。
ところで、このラキアと言う人物ですが、残念ながら死亡しています。」

その言葉に、葵はうつむく。

「ラキアの子孫は?」

ハヤトの言葉に、葵は顔をあげ図書係は言葉を続けた。

「あぁ、確か名前は
ライフと言って旅好きな若者で今年帰って来ているはずです。」

「そうか、ご苦労…
下がれ。」

そう言われ図書係は、逃げるように下がった。

侍女も「では、お出かけになるのならソフィア様を呼んで参ります…」
そう言って、奥の部屋へ消えた。

「ねぇ、ハヤトさん?」
「ん?何だ…?」

葵は、ハヤトの雰囲気がいつの間にか戻ってい事に気がつくと
「ううん…何でもない」

心の中で、思った疑問は
打ち消した。
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