華と月
強引に、連れ出した柊は…
大海原が見える外へと、葵を連れて来ていた。

潮風が、頬に当たり
心地いい。

深呼吸すると、柊は葵に
「悪かったな、手痛むか…?」
と聞いた。

「ううん、大丈夫
それよりありがとう…
ちょうど外の空気が吸いたかったの」と笑う。

その時、葵の方に風が舞い上がり髪を揺らす。

「やだ…」

髪を整えようと葵は、髪をすくい上げる。

その時の髪が、葵の頬に絡みそれを見た柊は、葵の頬を親指でなぞる。

「ありがとう…」

「いいえ、どういたしまして」

柊は、優しく葵に微笑んだ。

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