華と月
葵は、また夢を見ていた。
目の前に、シャボン玉のような球体が出て来て
葵はそっと触れる。

すると、映像が流れた。

葵の両親が、こちらを見て幸せそうに手を振って笑っていた。

葵は手をあげ、両親の顔を触ろうとする。

あ、あれ…?
おかしいな…

すると両親のほうが近くに来て、葵を抱き上げた。

母親の腕にすっぽり収まるサイズに…いや、葵が微かに覚えている記憶だった。

パパ…ママ…

私…愛されていたんだ…

知らず知らずのうちに、葵の瞳から涙がこぼれた。

その涙を、そっと拭った人物がいた。
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