華と月
アゲハの丁寧な物腰に、ヴィヴィアンは満足そうに笑った。
本来なら、侍女と同じくらいの扱いを受ける側だが、ハーツの手間
そういう訳にもいかなかった。
それを解っているアゲハたちは、不満を言う訳でもなくただ笑って過ごすだけ。
アゲハの態度は、妥当だと言えるだろう。
「では、そろそろ私たちは失礼します
ハーツ皇子、後で侍女に部屋を案内させますわ
皆さんごゆるりとお過ごしくださいませ」
そう言って、ヴィヴィアンたちは部屋を出た。

「ふぅ…嵐が去ったな」と柊が言うと
「では、早速
首都マラッカへ行くんだろう?」とハーツが言った。

「そうね、そうしましょう」とアゲハが言う。
そう決まると
皆は、席をたち客室を出た。

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