華と月
ちょうどその頃ー…

「ヴィヴィアンさま、用意が出来ました」

そういうのは、ヴィヴィアンの侍女。

「クスッそう…じゃあ
特別な夜の為に、もてなししてあげて…ね」と、妖艶な笑みをヴィヴィアンはもらす。

その言葉に、侍女は頭を下げ部屋を後にする。


侍女は、心の中で軽くため息をついた。

お好きねー小細工。
柊さまが可哀想だわ
まぁ、知らぬが仏ってところかしら。

それにしても、柊さまがあの子に向ける表情でヴィヴィアンさまも気付いたのでしょうし、ヴィヴィアンさまは見てないけど、柊さまが帰っていらした時、柊さまのあんな顔を初めて見たわ
はぁ…いいなぁ…あら、いけない

そういうところの直感と言うか、女の感は相変わらず凄いのね…

この夜着なんか、どうぞ襲ってくださいと言ってるようなもんじゃない…
あの子も被害者ね…
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