華と月
そんな事お構い無しに
ウンディーネは話を続け
「緊急事態なのですが…
貴方がそこまでおっしゃるのなら…私」と一瞬悲しい顔しながらも、直ぐにっこりと笑う。

そのウンディーネの笑顔に、イフリートは「うっ」と息を詰まらせる。

その様子を見たノームは
「素直にすればいいのに…バカだなぁ」と 
呟いた。

イフリートはノームを睨むも、肩を落とし
「はぁ…どのようになっている?」と聞くと

ウンディーネは、説明した。


葵が異世界に現れた理由と、この禍々しい雰囲気の訳は魔界の門が開かれるかも知れない事だと…

「なるほどな…でもそなたたちは力を渡したのだろう?」
「力そのものを渡した訳じゃありません
力の一部を具現化し、それを渡しただけです」

「ふうん、それじゃ魔界の門を開けさせる為に、葵とやらに力の一部を渡したのは何故だ?」

「はぁ…貴方私の話を聞いていましたか?」とウンディーネはわざと大きなため息をついた。
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