華と月
廊下に出ると、隣のクラスから女子生徒が、葵に声かけてきた

「葵」
「あら、美奈子」

葵に声かけてきた女子生徒は、葵の親友
大谷美奈子は
スラリと背が高くショートボブが似合う女の子だ。

「葵!今日、部活でしょ?お願いがあるのだけど」
「なあに?」
「あのね、今日急に母から呼び出しがあって部活に出れなくなっちゃたの
申し訳ないけど、先生に伝えといてくれる?」

美奈子は申し訳なさそうに、顔の前に手を合わせている。

「もぉ仕方ないなぁ~わかった
いいわよ」


葵が笑って承諾すると、美奈子はパァッと顔が明るくなり

「どうもありがとう!!」
そう言うと、美奈子は走って行った。

かと思うと、急に立ち止まりこちらに振り向き

「葵!!、今度駅前のケーキ屋に行こうね!
私が奢る~
本当にありがとうね」

美奈子大きな声で、それだけ言うと去って行った。


何事かと他の生徒は、一瞬こちらを見たが
また気にしないで自分たちの話を続ける。

葵は、美奈子が走っていく方向を見つめながら1人クスリと笑う。
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