華と月
「ん~…この子泣いちゃったの、ちょっと手を貸してくれる?」

レイラの問に、アゲハが答えた。

「ねぇ、貴女アオイって言ったけ?ちょっと立って、あちらに行きましょ」

アゲハが言ったその言葉に、レイラは葵の手をとり立たせた。

葵は、二人に挟まれるようにして歩く。

テーブルの上には、先ほどの紅茶が乗っていた。

「座って」

アゲハが促すと、葵は素直に座る。

葵の前に紅茶を起き、アゲハとレイラは葵の真向かいの席に座った。

「紅茶を飲んで?美味しいわよ」

葵の目の前には、ティーカップがあり紅茶のアッサムが煎れてあった。

葵は、一口ゆっくり飲む。

涙で渇いていた喉が静かに潤う。

「自己紹介がまだだったわね?
私はアゲハ、私の横にいるのがレイラ
アオイ、改めてよろしくね」

「……」

葵は、話す気力もなくただボーとしていた。
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