華と月
「はい、はぁ~い
私ややこしいの嫌いでぇ~す★
セレンもアゲハ姉さんも喧嘩しなぁいチッチッチッ」

ヒメカが勢い良く席を立ち、指を前に出してポーズをとった。

「喧嘩してた訳じゃないわよ、とりあえず座りなさい」

「はぁい」


ヒメカは、アゲハに促され席に座った。

「アゲハさん…」

今度は、葵が席を立ち
頭を下げた。

「すみません、私のせいで迷惑かけて…
少しの間ですけど、お世話になりました
ありがとうございました」

そう言い、葵は走って扉の出口へと向かった。

「あっ、どこ行く気?」

アゲハがそう言ったが、もう葵の姿が見えなかった。
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