華と月
「リリス!」
アルカイドが嬉しそうな声を出し、葵はその方向を見る。

「あっ!あなた…」

すると、リリスはアルカイドの横をすり抜け葵に抱きついた。

「お姉ちゃん!」
「あなた…羽が」

葵はまた驚きを隠せない。
庭園で逢ったリリスとは違い、身長もずいぶんコンパクトになっていた。

リリスと葵が感動?の再会してると、二人の女性が入ってきた。

すると、葵は下に向き俯く。

その二人は、アゲハとレイラだった。

アゲハは一目散に、駆け寄る。

アゲハのハイヒールの音が、葵にまで届いて
止まったかと思うと
葵の身体に、暖かい感触がふっついた。

「あぁっ!!良かった、アオイ心配…したのよ」

ふわりとアゲハの匂いが、葵の鼻に付き
「ごめんなさい…」
と静かに謝った。
う…んーんー!!
「いいの…アオイが無事で」

うーん!
うーん!

アゲハと葵が抱き合っている下で、何やらモゾモゾ動くものがある。

「ん…?」
アゲハが下、胸辺りに目をやると…

「ぷはぁ~はぁ~はぁ~
あ゛~苦しかった!」

リリスが、アゲハの胸の谷間にちょこんと、顔出した。
アゲハの胸の間に挟まってたのはリリス。

どうやら逃げ遅れたらしい。

その光景に、ぷっと吹き出し皆が笑った。
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