華と月
「あら、ハー…」

レイラが何か言いかけた時、ハヤトがレイラに近付き手で口を抑える。

「むぐぐ…な…むぐっ」
「しーィ俺の本当の名前は、言ってないんだ」

レイラとハヤトは後ろを向き、こそこそ話している。
その時、葵はアゲハに呼ばれていた。

葵はアゲハの元に行く。

ようやくハヤトの手から逃れたレイラは、口をハンカチで拭う。

「アオイに?」
「そう…」

「別にいいじゃないんですか?」
「鈍いな、俺の事知ったらかしこまるだろ?
それは嫌なんだよ
だから内緒、な。
堅苦しいのキライって知ってるだろ」

「はいはい、解りました知りませんよぉ?後でバレた時」

「…ハヤトさんレイラさん?」

葵に声かけられ、一瞬二人はびくっとなる。

「あっ何?アオイ」

ニコッと笑いながら、レイラが葵のほうを振り向く。

「何って…私はハヤトさんと旅に出るので、その準備にレイラさんを呼んできてって…アゲハさんが呼んでますけど…」

「あ、ああ…そうね
ハハハ…」 

ぎこちない足取りでレイラは、アゲハのところに向かう。
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