華と月
魔法の絨毯に乗っていれば
アルカイドの家から、蝶の屋敷まで
そう時間がかからない為、あっという間にたどり着いた。

「あぁ、やっと着いた」
そう呟くのは、アゲハ。
「そうですね」と頷くレイラ。

屋敷の前に着くと、3人は絨毯から降り
アゲハは、絨毯をしまう。
屋敷に入り、3人が向かった先は衣装部屋。

葵が最初にいた部屋なのだ。

衣装部屋に3人は、入ると早速荷物をまとめた。

「アオイ、ちょっとこっちに来て」

そう促すのはレイラ。

レイラに呼ばれ、葵はレイラの元に行く。

すると、レイラはメジャーを取り出し葵の身体、頭のてっぺんから足の先、角から角まで調べメモを取っている。

「ふん・ふん♪アオイ、貴女細いと思ったけど
筋肉がついてるわ
何か、やっている?
私たちと同じような身体つきよ」
レイラは、楽しそうに葵に聞いた。
「えっと、新体操してます」

「シンタイソウ?」
「んと、説明が難しいな…
例えばこのリボンを使って…うーん…こうくるくると回して、
踊りみたいな感じです… 」 
葵は、一生懸命身振り手ぶりで説明したが
レイラはじっ、と見つめるだけだった。
だが…
「へぇ~アオイも踊りをするのね!見てみたいわ」
意外にもレイラは、好印象を持ってくれたみたいだ。

すると横から、アゲハが顔を出し
「レイラ、アオイ!
ある程度洋服をまとめておいたわ
レイラは、例の準備をしててくれない?」

「はい、それじゃまた後で」

アゲハから指示があったレイラは、部屋を出てどこかに行ってしまった。

「アオイ、それじゃ私も準備するから今日は泊まって行って?」

アゲハは葵にそう言うと、葵はびっくりした顔になり
「え、でも…」
アゲハが窓を指さすと、外は真っ暗だった。

「ね?もう夜も遅いし
出発は明日の朝にすればいいわ
ねっ、泊まって行って」

アゲハがにっこり笑うと、葵もにっこり笑い
「ありがとうございます
」と頭をさげた。

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