華と月
「…助けなくていいんですか?」
と、葵はハヤトに聞くが…
ハヤトは思わず
どっちを…?と言いそうになり

そんなハヤトより早く動いたのは、アゲハとレイラだ。
アゲハとレイラは、門番の前に行き
「何の騒ぎかしら?」と言った。

ようやく気付いたのか、旅人と門番は、その声の主の方向に振り向いた。

「あら…」
「あなた様は…」

勝ち気な少女は、女に近寄り
門番は、慌てて女の側から離れアゲハを見た。

「あら…ふふふ…私はレティシア、こちらは妹のシンシア
で、あちらに寝てるのが弟のマイティですわ
はじめまして、アゲハ様レイラ様」

レティシアは、アゲハとレイラに挨拶をした。

アゲハは、レティシアに
聞いた。

「レティシア、アゲハよ
で?こんなところでどうしたのかしら?」
レティシアは
「ふふ…だってこちらの方がこの関所を通してくださらないの」
こう言った。

アゲハは、門番に向き
「で、あなたは何故
通してあげないの?
ここは、通行書はいらないはずよ」

門番は、驚いた様子で
「はっ、ですが
ここ最近物騒な輩が出没してまして
強化してたところです」
と答えた。 

「そう、でもその報告はあがってこなかった
強化するなら、手配書があるはずよね?
その手配書は?」

見せて、と言うように
アゲハは門番の前に手を差し出す。

「はっ、あのそれがですね…」

門番は、口ごもる。

「用意してない、そういう事ね?」

「はっ!す、すみません!!」

アゲハは、ポケットから
何かを取り出し、手のひらに乗せ
「今すぐ、手配書の作成
住人、住宅及び町全体の警告、見回り、警備配置
、強化を伝令!
サモン大佐に通達しろ」

アゲハが手のひらの何かに、そう言うとアゲハから何かがヒラヒラと飛んで行った。

「門番!ここにサモン大佐が来られる、粗相ないように」

「はっ!」

アゲハの言葉に、門番は気合いが入った。 
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