世界で1番嫌いな人


 あたしは 瀬戸 唯子。

 高校二年生。


 そしてあの人は 千葉 泰雅。

 同じく高校二年生。




 あたし達は、この全寮制の私立校で、中学生の頃から生活している。



 そして、この寮で生活し始めると同時に、あたしのパシリ生活もスタートすることとなった。








―――――――
――――――――――…



 それは中学の入学式。


 今日からこの全寮制の学園での生活がはじまる。

 もともと両親は多忙で家に帰らない事も多く、『ひとりで家に置いておくのは不安だ』という理由で、この学園に進学することになった。

 両親と会えなくなるのは少し寂しかったけど、これからはじまる学園生活に胸を躍らせていた。



 でも――――。


『ねぇ、お嬢ちゃん一人?』


 学園に行くまでの道で、不審な中年男性に声をかけられた。

 あいにく、仕事の都合で母とは学園で待ち合わせることになっていた。
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