風を味方に
でも、私は自分で分かった。

もう私には時間がないってこと。

この心臓は使い物にならない。

不良品を使ってたってそんなにもたない。

最初は使ってない新品でも長く使っていればガタが出る。

私は不良品を選んでしまった。

自分を責めていた。

「美希。水飲む?」

「うん。」

私はお母さんと会話をしようと口を開いた。

だけどそれは声にもならないくらい、かすれていて、自分でも驚くほど小さかった
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