幼馴染は何でも一緒


キーンコーンカーンコーン
昼の時間が来た。
いつも芽衣と瞳は
一緒に食べていた。
友達がいないって訳じゃない。
二人がよかった。

芽衣は迷っていた。
瞳に誤って
仲直りをするか。
でも、芽衣は瞳の
言葉を思い出した。
【幼馴染でも何でもない】
その言葉を思い出し
芽衣は瞳と食べるのをやめた。

昨日までは
一緒にこの芝生の上で
お弁当を食べていたんだ。
芽衣の親は共働きで
いつも購買食だったから
瞳はいつもお弁当を
わけてくれた。

瞳が作った甘いたまごやきは
芽衣の好物になっていたんだ。

「篠田さんっ、一緒に食べませんか?」

声をかけてくれたのは
付き合ったばかりの
飯田君だった。
瞳の事が気になって
彼女らしい事はしていなかった。
ごめんね、、、

「あっ、飯田君!一緒に食べよう。
 私、購買でメロンパン買ったの!」

「そっか。僕は親が
 僕を気遣って
 大量におかずが多い
 お弁当なんだ。
 篠田さんも食べる?」

芽衣は瞳を思い出した。
瞳はいつも
私にそんな風に
お弁当をわけてくれた。

「ありがとっ。
 あと篠田さんは
 やめてね。
 芽衣でいいよ。」

「うん。
 たまごやきどう?
 いつも芽衣の
 親友から
 貰ってるの見たよ。」

「あっ見てたんだ。
 親友じゃないんだ
 幼馴染。
 でももうその関係が
 終わっちゃうかも。」

飯田君になら話していいかな。

「どうして?」

「あっ何でもないよ。
 いただきますっ。
 ・・・おいしい!
 飯田君のお母さんの
 味はちょっと
 しょっぱいね!
 瞳のたまごやきは甘かったんだ。」

何故か瞳の話になってしまうんだ。
この昼の時間も
瞳とじゃなきゃ
面白くない。

そう思ってるのは芽衣だけか。
瞳はこれで嬉しいんだよね。


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