爽やか王子と内気少女…その後は?



「田中!誤解招く事言うなよ!」


永井君が焦った顔で田中君を見た。



皆は、二人を交互に見る。






「ごめんごめん、

夏休み、二人で図書館行って宿題仕上げてたんだよ」



田中君の言葉に、

「ずるい」とか「誘えよ」とか「宿題多かったもんな~」って声がガヤガヤ響いた。



「だって、お前ら居たら煩いじゃん…折角涼しい図書館行ったのに追い出されるとか御免だし…」



田中君が言い終わると、席に鞄を降ろす。


顔を見上げれば、私に気付いてニコッと微笑んだ。


「西川の事のお礼」


そう口が動いた。



夏休みに、田中君から告白をされた弥生ちゃんの話を聞いた時のお礼らしい…


二人は付き合ってる訳じゃないけど、気まずくなる事無く、
今までと同じ関係が続いてる。


田中君は弥生ちゃんがまだ自分に気持ちが無い事をわかってたみたいで、

気まずくならなかった事にホッとしてるみたい。



 
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