爽やか王子と内気少女…その後は?
「………やっぱり弥生ちゃんも…」
昇降口を出て20メートルくらいで、心残りから立ち止まる。
私が止まると、隣の永井君も足を止めた。
「西川はさっきまで新垣と一緒だったろ?次は俺の番!!
……邪魔されて全然二人になれないんだから……」
少し拗ねた風に言うのは、夏休みを思い出して言ってるのだろうか……
「会ってた」と言ってても、いつも弥生ちゃんや田中君も一緒なんだ。
「それにさ……」
永井君は言いかけると昇降口を指差した。
私は昇降口を振り返る。
「西川の事を待ってた奴居るから、一人残して来た訳じゃないよ?」
昇降口には弥生ちゃんと、息を切らして来たらしい田中君……
二人は何か話して、弥生ちゃんがフッと微笑んだ。
そんな弥生ちゃんを見て、田中君は優しく弥生ちゃんを見つめる。