爽やか王子と内気少女…その後は?
今まで、あだ名を付けられた事があまり無かった私は、少し照れながらも嬉しくて、
渡辺君に「ありがとう」と笑顔で答えた。
「っ!……あ…えっと、カオリンって、放送部だよね?話題の朗読係…」
焦りながら渡辺君は話題を変えた。
「えっ?うん、そうだよ」
「俺、あれ結構好き。聞いてると安らかに昼寝が出来る!」
昼寝って……
「それって…眠くなるって事かな…?」
私の言葉に、渡辺君は焦ったように手を振った。
「眠くなるって言ってもつまんないとかじゃねえよ!?気持ちが和らぐんだよ!」
気持ちが和らぐ…
嬉しくて「ありがとう、あのっ…リクエストとかあったら言ってね」と遠慮がちに言うと、
「おう!探しとく!」と答えてくれた。