爽やか王子と内気少女…その後は?
「新垣さんさ~席替えで渡辺の前だったよね」
口元は笑ってるけど、目は笑ってない浜田さんが光りの差し込む窓の前に立った。
「そう…だよ?」
声が震える。情けない私に浜田さんが鼻で笑うのがわかった。
「あいつ煩いから、新垣さんにもかなり迷惑になってるんじゃない?」
迷惑なんて思った事も無いので「そんな事ないよ」と答えると、その言葉がわかってたと言う風に、浜田さんがまた鼻で笑って私に近づいて来る。
「結構お似合いかもね!渡辺と新垣さん」
「えっ?」
近くまで来た浜田さんは、私の肩に手を置いた。
そのまま、ぐっと肩を掴まれる。つけ爪が肩に食い込んで痛い…
「永井とよりずっとお似合いだと思うよ?」
静かな教室に響いた声が、頭の思考を停止させた。