爽やか王子と内気少女…その後は?
周りの音なんて聞こえない。
空耳だと疑いたいけど、目の前の浜田さんを見れば、空耳じゃないと嫌でもわかる。
「……えっ?」
震えた声を出す。私の顔がピキピキいって強張るのがわかる。
「付き合ってるんでしょ?永井と新垣さん」
直球で言われたその言葉に、喉が痛くなる。酸素の吸い方がわからない。
「違うよ」とか白を切って言えば良いのに、それすらも出来なかった。
「やっぱり…ね。
あの永井とね~。新垣さん静かそうに見えて意外とやるね~。
でも………
すっげー不愉快」
冷たい目で見つめられて、私は蛇に睨まれた蛙の気分だった。