爽やか王子と内気少女…その後は?
テストが近いから勉強に誘ってくれたようだ。
チラッと永井君を見れば、そっとケータイを机の中に閉まっていた。
すると、隣の浜田さんが身を乗り出して永井君に寄った。
浜田さんを見た瞬間に、脳裏に流れるのはついさっきの出来事。
―――人に内緒にして、堂々と言えない程度なら付き合うなよ!―――
―――別れるか…それとも皆に言い触らされるか…どっちが良いかよく考えな―――
苦しい。
涙を我慢した分、涙を出したくて、身体が痛い……
気がつくと、ケータイをギュッと握りしめてた。
ケータイが軋む。
周りの人達が「あちー」と汗を出しながら言ってるのに、
何故か私の指先は冷たくなってた。
上手く動かない指を動かしてメールを返した。