爽やか王子と内気少女…その後は?
「ん?新垣、どうしたの?」
ケータイ越しの永井君の声が、いつも目の前で聞くより低い。
電話だからかな…?
…それとも……
「あの…会って話したい事があるの」
自分の中で、少なからず舞い上がっているものがあったからかな?
私は、永井君の低い声を気にする事無く用件を話した。
すると永井君は、数拍置いてから「わかった。新垣ん家の近くの公園に今から行くから…」と言った。
何か引っ掛かるものがありながらも、一旦電話を切り、
家の近くにある公園へ足を進めた。
元々、家の近くまで来ていたので、公園へは直ぐに着いた。
もう薄暗いので、夕方には子どもが遊んでいるこの場所は、今はとても静か。
時々吹く風は、秋の匂いがして、少し寂しさがあった。