爽やか王子と内気少女…その後は?
頭のてっぺんに雪崩が起きたような感覚がした。
ナニヲ…イッタノ…?
聞き間違えであってほしくて、永井君の顔を見ていると、
下に向けていた顔を、私へ向けた。
そして、見つめながら真剣な顔で、「別れよう」とまた言ったんだ。
聞き間違えじゃないと言うように………
…………このままじゃだめ。
「別れたくない!」
私は咄嗟に声を上げた。
私にしては大きくて強い声。
「あのっ、私ね!永井君と付き合っている事を皆に言おうと思って、それの報告で今日電話したの!
だから、隠す必要も無いの…だからっ」
慌てて言う私に、永井は「新垣」と呼んで止めた。
「それは、もうしなくて良いんだよ。別れるんだから……それが原因じゃないよ」
いつもと違って冷たい声に、私は何と言ったらいいの?
どうしたら、笑顔になってくれるの?
………わからない…