爽やか王子と内気少女…その後は?


永井君が転校するという話題は、教室全体を暗くさせ、昼休みになれば全校生徒がその話題を知っていた。




お陰でうちの教室は、他のクラスや他の学年の生徒が行き来している状態だ。


中には泣き崩れる女子も居て、
改めて永井君は皆の人気者なんだなと…皆にとって永井君の存在は大きいんだと実感。





「すっごい人気……自分のクラスなのに居心地が悪いね。
この分だと転校するまでに一言くらい話せればいい方ね~。ってか、永井から転校の話聞いてたの?」



弥生ちゃんが永井君の方を見て、眉を寄せながら話す。


「……あ…うん……昨日会って聞いた…」


「そう…遠距離なんて大変だけどさ、まあ…会えるって言えば会える距離だし……永井の事だから浮気なんて絶対に無いだろうし…」


私を元気付けるように言う弥生ちゃん。


「弥生ちゃん…違うの…違うの…」


そんな弥生ちゃんに呟いた私の声は、蟻も潰せないほど弱々しい声だった。



 
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