爽やか王子と内気少女…その後は?
「……は!?別れた!?」
放課後の図書室。
カウンターに座りながらひっそりと話した事実に、弥生ちゃんは驚いて、大声を上げた後も
「えっ!?…だって…はぁ!?」
なんて、いつもの弥生ちゃんからは考えられないくらい焦っている。
そんな弥生ちゃんの様子を、私は何故か苦笑いで見ていた。
「だって、遠距離って言っても都内だし、今はケータイで電話もメールも出来るから問題なくない!?……もしかして、ずっと秘密にしている事に痺れを切らしたとか…?」
ズバリと言う弥生ちゃんに、
「それは違うと思う」
と私は小さな声で答えた。
私が声のボリュームに気を使っている事に気付いた弥生ちゃんは、ハッとして周りをキョロキョロ見回した。
ここが本来静かにしなければならない図書室だと気づいたようだ。
前までなら、放課後の図書室なんて利用する人が居なかったのに、
今では利用の仕方が様々違っていても、利用をする人がチラホラ居る。